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バロックとは


いまからおもえば、あの事件が大熱波の予兆だったのだ

西暦2000年がすぎても、世紀末の予感は消えなかった。 奇怪な事件が多発。 異形と呼ばれる化け物が人を殺しているといううわさも絶えない。 少年たちが熱狂するのは、存在しないヒロイン。 不気味な新興宗教が勢力を増す。 異形殺戮部隊が設立される。平均寿命は恐ろしく低下。 バロックマーダーと呼ばれる異常犯罪が多発。 そして、巨大な災害が地球を襲った。 残された者が大熱波と呼んだ災害。 それは、かつて経験したことのない災害だった。 歪み、ねじれ、崩れていった。 人は人でなくなり、すべてが歪んでいった。
世界は崩壊した。

神経塔に何が

塔があった。大熱波によって、歪み、ねじれ、変化しつづける塔。 人々は大熱波の原因は、この塔にあるとうわさした。 塔は、こう呼ばれていた。
神経塔。
神経塔をどうにかすればこの世界も癒されるのだ、と説くものも多くいた。 しかし、この歪んだ世界を救うために神経塔に近づく者はすでに誰一人いなかった。

どうすればぼくのつみはゆるされるのだろう

主人公は記憶をなくし、罪の意識だけを感じ続けている。 翼をつけた男が言う。 おまえの罪は世界を癒すことによって、許される。 罪を癒すために、世界を癒すために、 主人公は、神経塔へとむかう。
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